堀川団地の再生では、「多世代の方が一緒に住んで豊かなコミュニティを形成する」ことも大きな目標になっています。そのために、現在お住まいの高齢者の方が安心して住めるよう住宅を改良したり、子育てをする若い世代が住んでコミュニティに活気をもたらしてもらえるよう2戸を1戸にして広い住戸面積を確保した子育て世帯向け住宅を整備しました。
住戸の区画はそのままに、高齢者の方や介護が必要な方でも住み続けられるような住戸に改良しました。
玄関の上りがまちを除き、住戸内は二重床下地にすることで、段差のない住戸に。浴室と洗面所や便所など、バリアフリーに配慮した住戸プランになっています。
便所は洋式とし、立ち座りの支えになる手摺りを設置。また、介助が必要になっても、介助者が手助けしやすいよう、便座正面に扉を設置しています。
収納スペースは、今まで居室内部にしかありませんでしたが、物入れを兼ねた下足収納をつくり、玄関横にも収納スペースを確保しています。
玄関とダイニングキッチン(DK)は、建具を無くし、カーテンで仕切ることで、DKを広く使えるようにしました。
介護が必要になった場合、布団での生活が望ましい場合とベッドでの生活が望ましい場合がありますが、どちらの場合でも生活しやすいよう、寝室は畳敷きの和室にしました。畳敷きにすることで転倒したときの衝撃もやわらげてくれます。
和室の襖は、冬場の住戸内の温熱環境を少しでも良好にするため、断熱建具を採用し、住戸内の良好な通風を確保できるつくりにしています。また、介護ベッドが搬入可能な間口を確保するとともに、寝室は客間から見えないように、襖で完全に仕切ることができるつくりになっています。
浴室は、介助者と共に入れる1216サイズの広めのユニットバスを採用し、洗面所と浴室に手摺を設置することで、水回りの安全性を確保したプランとしています。
※下記は計画時の図面です。
現在の堀川団地の住宅は、1つの住戸が約30㎡であり、家族で入居するには少し狭いため、今回の再生プロジェクトで2つの住戸を1つにつなげて約60㎡の広さの子育てをする世帯が入居できる住戸を整備しました。
ベビーカーや子どもの三輪車などを置いておけるよう、玄関土間はゆったりした広さを確保しています。
洗面所の出入り口の引き戸は鍵付きにすることで、水回りでの子どもの不慮の事故を防げるように配慮しています。
子どもの成長に合わせて使い方が変えられるように、家具の置き方によって2室の洋室に分けられるようにしています。
洗面所と洋室に取り外し可能な天吊物干し金物を設置することで、大量の洗濯物にも対応できる設えとしています。
洗面台は子どもと並んで使えるように幅の広い洗面化粧台を採用しています。浴室は、子どもと一緒に入れる1418サイズのゆったりしたユニットバスを採用しています。
玄関、便所、洗面所には入居者の体調に合わせて将来的に手摺が設置できるよう、手摺り下地を準備しています。
※下記は計画時の図面です。