堀川団地の特徴の一つである長細い敷地。その共有空間には、さまざまな工夫が施されていました。
今回の改修工事では、その良さを残した味のある共有空間として再生し、豊かなコミュニティを育む装置となるようにしました。
堀川出水団地の2階にある広々としたバルコニーでは、かつて地蔵盆などが行われ、住民の憩いの場所でした。 そこにウッドデッキを敷き、花を置いたり腰掛けたりできるしつらえとし、より快適な住環境と入居者同士のコミュニティを育みやすい空間としました。
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60年前に完成した堀川団地は、その当時(の熱意やデザイン力)を今に伝えるデティールがあちこちに残っています。 そのうち、共有空間にある階段室の3連窓やダストシュート、電気盤などを残し、みんなで味わいながらさらに愛着のある団地になるような期待を込めて改修しました。
堀川通に面した階段室の3連窓 |
趣を残したダストシュート |
手すりや点字ブロックをつけた階段 |
デザインそのままに、塗り直した柱 |
階段室やエレベーター室などの共有空間には、京都ならではのデザインである西陣織の手法を用いた材料を採用するなど、竣工当時の趣きにこの地域ならではの特徴を追加したデザインとしました。
紋紙を挟んだ合わせガラス |
エレベーターの防風合わせガラス |
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